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2.1.1.2RNPとANP
(1) RNPとANPの概要
従来ICAOでは航空機に対し、一定の航法精度を要求する場合、特定の航法機器の搭載を義務化していた。しかし、近年のGSPの開発等、航法装置の多様化により特定の航法機器の搭載を義務づけるよりも、航空機が達成すべき航法性能を要件とするほうが合理的であると考えられるようになった。
RNPとはRequired Navigation Performance の略で、日本語では航法精度要件と訳す。これに対してANPとはActual Navigation Perfomanceのことで、実際の航法精度を示す。
RNPXによる航法精度とは航空機が95%の確立で半径XNMの円内に自分の位置を保つことができる航法精度を意味する。確立は時間と考えればよく、全飛行時間の95%の時間と読み変えても結構である。(図2.1.1.2−1)
現在知られているRNPにはRNP20、RNP12.6、RNP10、RNP4、RNP1等があり、それぞれ航空機の位置を95%の確立で半径20NM、12.6NM、10NM、4NM、1NMの円内に保つことのできる航法精度を意味する。各RNPと現在の地上航法施設を利用して得られる航法精度相当を次に示す。
RNP1:複数のDME施設を利用して得られる航法精度に相当する。
RNP4:現行のVOR航空路を飛行する際の航法精度に相当する。また、洋上での運航においては縦30NM横30NM間隔の運航を行うために必要な要件と定められている。
RNP10:洋上での運航において、縦50NM横50NM間隔の運航を行うために必要な要件と定められている。
RNP12.6:交通量の多い特定の洋上国際航空路に適用される。
RNP20:交通量の少ない洋上国際航空路に適用される。
(2) RNPと航法精度
日本国内で現在行われているRNAV1の評価運用に於いては、航空機の航法精度はRNP4を満たすことが求められている。
ある空域もしくは航空路がRNP Xと指定されている場合には、その空域や航空路を飛行する航空機は全区間に渡ってRNP Xの航法精度を維持することが求められる。陸上で位置情報のアップデートが頻繁に可能な空域であれば、全区間でRNP Xの航法精

 

1RNW:Area Navigation

 

 

 

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